後期臨床研修 消化器外科
消化器外科カリキュラムのご案内
消化器外科専門医を目指している皆さんへ
自分の手術に自信がありますか?
正しい治療方針を自分で決める自信がありますか?
毎日毎日、目の回るように忙しい日々を送っているけれど、外科の知識や技術は本当に身についているのだろうかと不安になることはありませんか?
外科の技術や知識の習得は一朝一夕にはいきません。良い指導医のもとで、外科医として多くの症例を、比較的短期間に経験することが必要です。
「鉄は熱いうちに打て」といいますが、外科医の修練もまさにこの言葉が当てはまります。皆さんのように若く、気力と体力に満ちている時期にこそしっかりとした基礎修練を積む必要があります。
私たち大阪国際がんセンターの消化器外科では、消化器外科専門医を目指しておられる方や、さらにその上の肝胆膵外科高度技能医、食道外科専門医、大腸肛門病専門医、内視鏡外科治術認定医など消化器外科のサブスペシャルティを極めたいと考えておられる方にとって、最高の修練環境を提供していると自負しています。
大阪国際がんセンターは都道府県のがん診療連携拠点病院に指定されており、外科診療のみならず癌に関わる全てのことが経験できます。また、特定機能病院の認定も受けており、日常診療以外に新しい診断・治療法の開発や先進医療の実践に積極的に取り組んでいます。これまでもICGによる肝癌の可視化や胃癌微小腹膜転移の蛍光腹腔鏡診断、ロボット支援胃癌手術など多くの実績があり高い評価を受けています。
また、各臓器別に優秀な熱血指導医が多数おり、皆さんが一人前になるまで懇切丁寧に責任を持って指導します。学閥等はありませんので、興味のある方はどなたでもお気軽にお問い合わせください。見学のみも歓迎します。
2.コースの概要
A.消化器外科を中心に後期外科臨床研修を行うコース(2~3年)
外科専門医取得が目標
対照は初期臨床研修修了者
1年目
|
消化管と肝胆膵を3〜6か月ごとにローテイト
(希望者は乳腺外科、呼吸器外科のローテイトも可能)
|
2年目
|
消化管と肝胆膵を3〜6か月ごとにローテイト
|
3年目
|
上部、下部、肝胆膵を選択(ローテイトも可能)
|
☆心臓血管外科研修、小児外科研修に関しては別途相談
B.消化器外科に特化した研修を行うコース(2年)
消化器外科専門医取得、さらにそれ以上が目標
対象は後期外科臨床研修修了者またはそれに相当する技能と学識を有するもの
ローテイトコース
|
2年間、3~6か月ごとに消化管と肝胆膵グループをローテイト
|
臓器固定コース
|
2年間、上部、下部、あるいは肝胆膵グループのいずれか選択したグループに固定して研修
|
ミックスコース
|
1年目、消化管と肝胆膵グループをローテイト。
2年目、上部、下部、肝胆膵のいずれかを選択したグループに固定
|
3.目標とする習得資格
- 外科専門医
- 消化器外科専門医
- 内視鏡外科技術認定医
- 食道外科専門医
- 大腸肛門病学会専門医
- 肝胆膵外科高度技能専門医
- ロボット支援手術コンソール術者
4.長期目標
- 個々の消化器癌患者に対して適切な診断に基づいた最適の手術術式の選択ができる。
- 標準的な消化器癌の手術を指導医のもとで安全に遂行できる。
- 術前リスクのある患者の周術期管理が行える。
- 術後合併症に対して臨機応変に対応できる。
- 臨床研究を通じてリサーチマインドを身につける。
- 緩和ケアの基本的能力を身につける(緩和ケア研修を受講するなど)
5.習得手技
術者として
(腹腔鏡下・ロボット支援)幽門側胃切除術
(腹腔鏡下・ロボット支援)胃全摘術
(胸腔鏡下・ロボット支援)食道亜全摘術
(腹腔鏡補助下・ロボット支援)胃管作成術
(腹腔鏡下・ロボット支援)肝切除術(部分切除術、区域切除術、葉切除術)
(ロボット支援)膵頭十二指腸切除術
(腹腔鏡下・ロボット支援)膵体尾部切除
(腹腔鏡下・ロボット支援)結腸切除術
(腹腔鏡下・ロボット支援)直腸切除術
6.研修期間
2〜3年間
7.募集人数
毎年7~8名程度
8.診療科の手術件数、経験目標症例数
1)過去4年間の手術件数
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
食道癌切除 | 126 (109・0) | 132 (129・0) | 151 (139・1) | 155 (109・40) |
胃切除 | 230 (53・173) | 302 (81・218) | 271 (58・213) | 199 (15・184) |
結腸癌切除 | 208 (188・15) | 185 (168・15) | 248 (219・16) | 190 (137・45) |
直腸癌切除 | 148 (77・67) | 180 (98・79) | 146 (76・70) | 146 (48・82) |
肝切除 | 82 (41・0) | 90 (34・0) | 102 (43・0) | 132 (64・0) |
膵切除 | 136 (4・0) | 130 (8・0) | 121 (3・0) | 141 (0・15) |
()内に内視鏡手術・ロボット支援手術件数
2)1人当たりの経験目標症例数(2年間ローテイトした場合の術者経験数)
食道癌 | 胃管作成術者(50例) | 食道亜全摘術者(5-10例) |
胃癌 | 幽門側胃切除(20例) | 胃全摘術(10例) |
内・腹腔鏡(15例) | 内・腹腔鏡(5例) | |
大腸癌 | 結腸切除(80例) | 直腸切除(20例) |
肝癌 | 肝部分切除(10例) | 肝区域・葉切除(10例) |
膵臓癌 | 膵頭十二指腸切除と膵体尾部切除(20例) |
9.診療科の指導体制
21名の常勤医師が指導に当たる
日本外科学会指導医 9名
日本消化器外科学会指導医 12名
内視鏡外科学会技術認定医 11名(食道、胃、大腸、肝)
食道外科専門医 2名
肝胆膵外科学会高度技能専門医 3名
大腸肛門病学会専門医 4名
10.コンセプト
外科専門医を取得した後、消化器外科をサブスペシャルティーとして選択しようと考えている者、あるいは消化器外科専門医を取得した後、さらに特定の臓器にしぼって専門性を高めるべく集中的に修練を積みたいと考えている者に、十分な研修の機会を与える。
当科は症例数が豊富であり十分な消化器癌の手術症例が経験できるのは言うまでもなく、指導医層が充実しており、短期間で効率的に密度の高い研修が可能である。また、消化器内科、放射線治療科、臨床腫瘍科、病理診断科等他科とも緊密に連携しており、外科診療を越えた幅広い学習が可能である。
また、当科は学術活動にも力を入れており、日常臨床で遭遇する種々の問題点をテーマに研究を行っている。レジデントにも積極的に研究への参加を促しており、学会発表はもちろんのことデータをまとめて英文論文を仕上げる指導を行っている。以上のように、当科ではリサーチマインドを持ちかつ臨床能力の高い消化器外科医の育成に努めている。
11.大阪国際がんセンター研修終了後
研修終了後の進路は、本人の希望を優先します。もし未定であれば相談にのります。
12.問い合わせ
消化器外科主任部長 小林省吾
大阪国際がんセンター事務局 人事グループ
〒541-8567 大阪市中央区大手前3-1-69
電話:06-6945-1181
メールアドレス:jinji#oici.jp(#を@に変えてください。)